響21年 価格──実勢¥8〜10万・定価¥67,100・1ショット相場【2026】
響21年の定価は¥67,100(2026年4月改定)、並行の実勢は¥8〜10万、銀座の1ショットは¥5,000〜10,000。投機ピークの¥14万から落ち着き、世界最高峰のブレンデッドが「飲むために買える」水準へ戻る過程を、10年注いできた立場から解説する。
宮本 雄一 シガー&ウイスキー専門家
公開: 2026年6月11日 更新: 2026年7月16日
RESPONSE FIRST — 響21年 価格 早見表
| 定価(2026年4月改定) | ¥67,100(税込) |
| 市場価格(実勢) | ¥80,000-100,000 |
| 1ショット価格(銀座) | ¥5,000-10,000 |
| 投機ピーク比(2021-23年) | 約3割安に正常化 |
「響21年を、ボトルでキープしたい」
2018年の冬、銀座の私のシガーバーで、50代の上場企業役員が初めて口にした言葉だった。当時の市場価格は¥120,000程度。今ほどの高騰前だ。
私は適切なボトルを取り寄せ、彼の名前を書いた札を吊るした。それから3年、彼は月に1回来店し、響21年を少しずつ楽しんだ。3年で1本を空けた頃、市場価格は投機ブームの真っ只中で¥140,000近くまで急騰していた。
「次のボトル、頼めるか」と彼は言った。私は答えた。「同じ価格では、もう取れません」。
彼は驚いた。3年で2倍超。それは、彼の認識を超える変化だった。
2026年現在、響21年の市場価格は¥80,000-100,000。投機ピークからは落ち着いたが、それでも彼が最初にキープした頃の定価¥35,200と比べれば2.5倍以上の水準だ。1ショット価格はシガーバーで¥5,000-10,000。「飲むためのウイスキー」に戻りつつある──それが2026年の響21年の現在地だ。
このページでは、10年提供してきた経験から、響21年の「飲んで楽しむ価値」と「所有の現実」を綴る。投機を煽る記事ではなく、現場目線で正直に評価する。

響というブランド──サントリー「ブレンデッドの最高峰」
響は、1989年にサントリーが創業90周年記念として発売したブレンデッドウイスキー。山崎・白州・知多の3蒸溜所の原酒をブレンドして造られる。象徴的な24面カットのボトルは、日本の季節を刻む二十四節気(そして一日の24時間)を映したものだ。中身の完成度だけでなく、この佇まいにも「和の時間」を宿しているところに、私はいつも響というブランドの矜持を感じる。
ジャパニーズウイスキーの源流をたどるとサントリー山崎蒸溜所に行き着くが、響はその到達点の一つだ。
響のラインアップ
| 銘柄 | 熟成 | 定価(税込) | 市場価格 | 1ショット銀座 |
|---|---|---|---|---|
| 響 ジャパニーズハーモニー | NAS | ¥8,800 | ¥9,000-13,000 | ¥1,200-2,000 |
| 響 ブロッサムハーモニー | NAS(限定) | ¥13,750 | ¥20,000-35,000 | ¥2,500-4,500 |
| 響 17年(休売中) | 17年 | ¥16,500(休売時) | ¥90,000-140,000 | ¥8,000-15,000 |
| 響 21年 | 21年 | ¥67,100 | ¥80,000-100,000 | ¥5,000-10,000 |
| 響 30年 | 30年 | ¥550,000 | ¥700,000-1,100,000 | ¥40,000-80,000 |
「21年」は、響シリーズの中で最も「実用的に楽しめる長期熟成」。30年は所有のための一本、17年は生産終了で入手困難、35年は完全コレクター領域。
21年熟成の意味
ウイスキーの熟成は、樽との対話だ。21年とは、樽の中で原酒が:
- バニラ・カラメル(樽材成分の溶出)
- フルーツ・ナッツ(オーク由来)
- スパイス・ペッパー(樽の焦げ)
- 蜂蜜・トフィー(時間が生む化学変化)
これらが調和を作るまでに必要な時間だ。12年では未熟、18年で完成手前、21年で頂点というのが、ジャパニーズの一つの結論だ。
響21年 価格推移──2014〜2026年の12年データ
私が10年カウンターで提供してきた経験から、響21年の価格推移を整理する。
| 年 | 定価(税込) | 市場価格目安 | 1ショット価格(銀座) |
|---|---|---|---|
| 2014-2016 | ¥35,200 | ¥40,000-55,000 | ¥3,500-5,500 |
| 2017-2018 | ¥35,200 | ¥55,000-75,000 | ¥4,500-7,000 |
| 2019-2020 | ¥35,200 | ¥70,000-95,000 | ¥5,500-9,000 |
| 2021-2023 | ¥35,200 | ¥100,000-140,000(投機ピーク) | ¥8,000-14,000 |
| 2024-2025 | ¥60,500(24年4月改定) | ¥85,000-110,000 | ¥6,000-11,000 |
| 2026 | ¥67,100(26年4月改定) | ¥80,000-100,000 | ¥5,000-10,000 |
ポイントは2つ。①定価は長く据え置かれた¥35,200から2段階で約1.9倍へ改定(2024年4月・2026年4月)。②市場価格は投機ピーク(¥14万前後)から約3割調整され、現在は¥8-10万が実勢。定価と実勢の差はわずか1.2-1.5倍まで縮まった。
響21年 価格推移チャート(市場価格ベース)
「山」の形が投機バブルの発生と正常化を物語る。
出典: 二次流通市場の実勢価格レンジ上限(筆者調べ・2026年7月時点)。
注目すべきは 2021-2023年をピークとする「山型」の推移。山崎18年 と全く同じパターンで、投機マネーの流入と退潮が価格を動かした。
この推移から学ぶべきこと
12年間の市場価格ベース年平均成長率は 約6%/年(¥4.7万→¥9万)。ただし直近3年ではマイナス圏で、「響21年は買えば値上がりする」時代は終わった。現在の¥8-10万は**「世界最高峰のブレンデッドを飲むための対価」として、久しぶりに合理的な水準**になったと言える。
高騰の3つの理由
理由1: ジャパニーズブレンデッドの世界的評価
2003年以降、サントリーのブレンデッドウイスキーは国際的なコンテストで受賞を重ねている。とりわけ響21年は、権威あるWorld Whiskies Awards(WWA)の「World’s Best Blended Whisky(世界最高のブレンデッドウイスキー)」を、2010年・2011年・2013年・2016年・2017年と計5回受賞し、同賞での最多受賞記録を打ち立てた。しかも2017年には、造り手であるサントリースピリッツが日本企業として初めて2度目の「Distiller of the Year」に選ばれている。私がカウンターで「響は世界一のブレンデッドですよ」と口にできるのは、こうした裏づけがあるからだ。
サントリー公式が世界で認められたことで、海外需要が国内供給を圧倒した。
理由2: 21年原酒の絶対的不足
響21年は2004年以前に蒸溜された原酒が必要。日本では1990年代後半から2000年代初頭にウイスキー需要が落ち込み、各社が減産していた。
その結果、現在の21年原酒の在庫量は、世界需要の数分の一しかない、と推定される。サントリーが本気で増産しても、2030年代後半まで状況は改善しない。
理由3: 投機市場の拡大
2021-2023年に市場価格が¥14万前後まで急騰した局面では、響21年は一時「飲むためのウイスキー」から「所有・投機の対象」に変質した。その後の調整(現在¥8-10万)は、投機マネーの退潮を意味する。
これが二次流通価格を、需要側の支払い能力ぎりぎりまで押し上げている。
山崎18年 vs 響21年──飲み比べての違い
私が最も多く受ける質問が「山崎18年と響21年、どちらが良いか」だ。
スペック比較
| 項目 | 山崎18年 | 響21年 |
|---|---|---|
| タイプ | シングルモルト | ブレンデッド |
| 熟成年数 | 18年 | 21年 |
| 蒸溜所 | 山崎のみ | 山崎・白州・知多ブレンド |
| 樽 | シェリー + ミズナラ + ホワイトオーク | 複数樽の組み合わせ |
| アルコール度数 | 43% | 43% |
| 定価(税込・2026年4月改定) | ¥67,100 | ¥67,100 |
| 市場価格 | ¥98,000-113,000 | ¥80,000-100,000 |
定価は山崎18年の方が約2倍。これは「シングルモルト = 1蒸溜所の個性」のプレミアムが乗っているため。市場価格はほぼ同水準。
味わいの方向性
| 項目 | 山崎18年 | 響21年 |
|---|---|---|
| 第一印象 | 力強さ・個性 | 上品・調和 |
| 香り | ミズナラ・白檀・蜂蜜 | フルーツ・蜂蜜・スパイス |
| 味わい | 蜂蜜・フルーツ・ハーブ | バニラ・キャラメル・ナッツ |
| 余韻 | 長く繊細・余韻に個性 | 長く穏やか・余韻に調和 |
「個性 vs 調和」の対立軸。山崎18年は「これぞジャパニーズシングルモルト」、響21年は「これぞジャパニーズブレンデッド」と表現できる。
私の評価
10年提供してきた経験から、私個人の好みを正直に書く。
完成度では、響21年の方が上。これは、ブレンダーが何百もの原酒を組み合わせて造る「人為的な調和」の極致だから。一方で、山崎18年は1蒸溜所の個性が前面に出る分、好みが分かれる。
ただし、初めての本格ジャパニーズなら、山崎18年の方が「わかりやすい個性」がある。響21年は、ある程度ウイスキーを飲んできた人の方が、その完成度を理解できる。
響21年の飲み方──現場で観察した最良
10年カウンターで観察してきた、響21年の最も美味しい飲み方:
推奨する飲み方
- 常温ストレートで一口目:21年の完成された調和を一気に感じる
- 数滴の加水:香りが立体的に開く(水は常温の純水推奨)
- 30分かけてゆっくり:時間と共に変化する味わいを楽しむ
- 氷は使わない:冷えると繊細さが失われる
- グラス:チューリップ型 or ロックグラス(広口)
合わせる葉巻
10年カウンターで観察した、響21年と最も相性の良い葉巻3本:
1. モンテクリスト No.2
キューバ葉巻の代表。蜂蜜と革の調和が、響21年のバニラ・ナッツと完璧に同調する。
2. パドロン 1964 アニバーサリー
ニカラグア葉巻の最高峰。土とコーヒーの香りが、響21年のスパイスを引き立てる。
3. オルチョ・コルクハナス
ホンジュラスの繊細な葉巻。響21年の調和を邪魔しない。
葉巻全般の選び方はキューバ 葉巻 おすすめランキングで書いた。
響21年を買いたい人への現実的助言
「響21年が欲しい」という方への、私の現実的助言:
助言1: 正規ルートを諦めない
サントリーの公式抽選販売(年4-6回)に毎回応募する。当選確率は1%以下だが、5-10年応募し続ければ当たる可能性がある。
助言2: 信頼できる酒類専門店との関係を築く
地元の老舗酒類専門店で、定期的に普通の銘柄を買い続ける。数年後、店主との関係ができた時に、「入荷したら声をかけてもらえる」可能性が生まれる。
助言3: 並行輸入店で買う場合は信頼性重視
並行店で買う場合、価格より店の信頼性で選ぶ。
- 長年営業している老舗
- 真贋鑑定書を発行できる
- 顧客レビューが豊富
- ボトル底ロット番号を公開できる
東京で信頼できる並行店は、私が知る限り5-7軒程度。「安すぎる」響21年は、ほぼ偽物。
助言4: シガーバーで楽しむ
これが最も現実的。ボトルを買わずに、シガーバーで楽しむ。
1ショット¥5,000-10,000を、月1回のペースで飲んでも年間¥60,000-120,000程度。ボトル購入(約¥9万)とほぼ同じコストで、「最高のグラスと環境」というバーの付加価値が得られる。
シガーバー 東京 初心者ガイドで東京の主要店舗を紹介した。
最後に──飲むために買える日が、来た
10年カウンターに立った私からの最終助言:
- 「飲む価値」と「所有価値」を分けて評価する
- 市場価格¥8-10万のうち、定価(¥67,100)を超える分が希少性プレミアム
- シガーバーで楽しむ方が現実的:1ショット¥5,000-10,000を月1回でも年¥6-12万
- 「最初の響」はジャパニーズハーモニー・ブロッサムハーモニーから:21年は到達点、30年は完全な所有領域
- 正規ルート・信頼できる店でのみ購入:偽物リスク回避
- ジャパニーズブレンデッドを5年以上楽しんでから手を出す:真価が分かる準備
響21年は、**「世界最高峰のジャパニーズブレンデッドの一つ」**と私は10年提供してきた経験から断言できる。
ただし、その価値を本当に味わうには、自分自身がジャパニーズウイスキーの世界を知っている必要がある。「初めてのジャパニーズ」に響21年を選んではいけない。
このページが、いつか響21年を手にする方の、判断材料になれば幸いだ。
参考資料
- サントリー 響 公式 — 響シリーズの公式情報・銘柄詳細
- サントリー「Distiller of the Year 2度目の受賞・響21年 WWA最高賞5回目」公式発表 — WWA World’s Best Blended Whisky 最多受賞の一次情報
- サントリー ニュースリリース — 2024年4月・2026年4月の価格改定の一次情報
- 日本洋酒酒造組合 — ジャパニーズウイスキー基準の制定団体
- 響(Wikipedia) — 響の歴史・主要銘柄系譜
価格情報について: 本記事の定価はサントリー公式発表(2026年4月1日出荷分・税込¥67,100)、市場価格は主要EC・オークションの実勢調査(2026年7月時点・¥80,000-100,000)に基づきます。相場は変動するため、購入時は最新価格をご確認ください。
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よくある質問
- Q. 響21年の定価と現在の市場価格を教えてください。
- 響21年の定価は¥67,100(税込・2026年4月1日出荷分から。税別¥61,000)。市場価格は¥80,000-100,000程度で、定価の約1.2-1.5倍です。定価は長く¥35,200(税込)でしたが、2024年4月に¥60,500、2026年4月に¥67,100へ段階改定されました。市場価格は2021-2023年の投機ピーク(¥14万前後)から落ち着き、現在は¥8-10万が実勢です。
- Q. 響21年は市場価格¥8-10万の価値がありますか?
- 「飲んで楽しむ価値」として、十分にあります。世界最高峰のジャパニーズブレンデッドであり、21年熟成の繊細さ、山崎・白州・知多3蒸溜所の原酒を重ねるブレンド技術、24面カットボトルの美しさは、現在の相場¥8-10万に見合う実力です。投機ピーク時の¥14万と比べれば、いまはむしろ「飲むために買える」水準に正常化したと言えます。10年カウンターで観察した経験でも、ISC金賞受賞歴を持つ完成度は本物です。
- Q. 山崎18年と響21年、どちらが好まれますか?
- 私が10年提供してきた経験では、好みで割れます。「シングルモルトの個性」を求める客は山崎18年、「ブレンデッドの調和」を求める客は響21年。山崎は1つの蒸溜所の個性が前面、響は複数原酒の完璧なバランスが特徴です。両方を飲み比べた結論として、私個人は響21年の方が「完成度の高さ」では上だと感じます。
- Q. 響21年を正規ルートで買う方法はありますか?
- 困難ですが、不可能ではありません。①サントリー公式抽選販売(年4-6回・当選確率1%未満)②長年通っている老舗酒類専門店との関係構築(数年単位)③高級ホテルバーの提携店ルート、の3つが現実的です。並行輸入店で¥40-50万円台で買うのが最も確実ですが、偽物リスクと真贋見極めの難しさがあります。
About the author
宮本 雄一
シガー&ウイスキー専門家・銀座シガーバー バーテンダー 10年
銀座のシガーバーで10年バーテンダー、現在は独立してコンサル業務。シガーソムリエ資格保有。葉巻とウイスキーの両領域を横断する数少ない実務家。
Editor's note
編集後記とエッセイは、note で。
サイト本編に書ききれなかった編集現場の話、取材で出会った職人たちのエピソード、執筆陣の30年・20年の所有歴。 サイトとは別の温度の話を、note でゆっくり綴っています。